信楽の狸の由来
信楽の狸は、信楽 初代狸庵 陶芸家 藤原鐵造(三重県の槙山生まれ、1876~1996)さんが若くして京都で修行していたある夜のこと、不思議な大狸小狸が月光に照らされて、ポンポコと腹鼓を打っていたという夢のような体験をされたそうです。
親方から『何人に一人しか聞けぬ狸の腹鼓だ』と教えられ、それ以来自分で小狸を飼い、観察してから後1935年、本格的に縁起物としての狸を作り出したとのことです。
1951年に昭和天皇が全国巡幸をされた時、旗を持った狸が沿道で歓迎をしたところ、天皇が『をさなどき あつめしからになつかしも 信楽の狸をみれば』と詠われ、一躍全国に広まったのです。
信楽狸八相縁起 石田豪澄和尚の理論によると、
笠・思わざる悪事災難避けるため用心常に身を守る笠
顔・世は広く互いに愛想よく暮らし誠をもって努めはげまん
目・何事も前後左右に気を配り正しく見つむる事忘れめ
通帖・世渡りはまず信用が第一ぞ活動常に四通八達
徳利・恵まれて飲食のみに事足りて徳はひそかに我身につけん
腹・物事は常に落ちつきさりながら決断力の大肚をもて
金袋・金銭の宝は自由自在なる運用をなせ運用をなせ
尾・何事も終わりは大きくしっかりと身を立てるこそ真の幸福